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就職氷河期世代の憂鬱 中国で行方不明になったK君の話 10【完結】

小、中、高、大と同じ学校に通った親友のK君が、中国で行方不明になりました。

中華系企業で働いていたはずのK君ですが、2020年末頃から音信不通となっています。

どこかで元気でやってると信じながら、K君の数奇な人生について書き留めておきたいと思い記事を書きます。

 

◎前回の記事

waterwoodnews.hatenablog.com

 

K君が中華系企業で何をしていたのかは分かりません。でも、おそらく投資ファンド的な事業をやっていたのだと思います。ベンチャーキャピタルのような感じでしょうか。話の節々でそのような事を言っていました。

 

中国に渡ったK君はすぐに彼女が出来たようで、中国人の彼女が2人いました。羨ましいなと言うか、懲りないというか、K君の性格は破天荒そのものでした。毎週のように彼女の写真を僕にラインで送ってきては、中国の観光地を楽しんだことを報告してくれていました。

 

彼女の1人はK君が働いている企業の役員だったようです。K君と同世代なのに、役員をやっていました。親は中国共産党の結構偉い人だということなの、コネかなんかでしょう。K君の本命はこの人でした。

 

中国では結婚するときに家を買ったり、車を買う文化があるらしいのですが、彼女がマンションや車を欲しいと言ってくると言ってK君は困っていました。彼女はおそらくK君と結婚したかったのでしょう。

 

K君は実家に精神障害のある母親がいるため、中国で結婚することなど考えていなかったはずです。彼女と別れたくても同じ会社なので別れることもできず、時間だけが過ぎていきました。

 

K君は出世しているようで、シンガポールや東南アジアなどに出張に行っていたようです。各国の写真や、超高層ビルにある事務所の1室から見える風景をラインでよく送ってくれました。K君のために1部屋用意されているということでした。その頃には僕など完全に追い抜かれていましたね。まさに人生をひっくり返したという感じだったと思います。

 

K君が中華系企業に就職してから2年半ほど経って、K君の母親が無くなりました。死因は、家の中で転んで手首を窓ガラスで切ってしまったことによる出血でした。

K君はすぐに日本に戻ってきて、葬式から何から一人で取り仕切り、立派なお墓を立てました。

 

K君の母親は、まだ70代だったので、無くなるには早すぎたかもしれません。K君はまだ大丈夫だと思っていたようで、近くにいてあげられなかったことを悔やんでいました。

K君はヘルパーさんから聞いた話として次のようなことを話してくれました。

 

余談ですが、ヘルパーさんがK君の母親に「今までで一番幸せだったことは何?」と聞いたとき、K君の母親は、「Kを産んだことかねえ」と言ったそうです。K君はそれを聞いて泣いたと言いました。

 

この母親の死によって、K君は天涯孤独の身となりました。今まで気にかけていた母親の存在が無くなったことで、完全に自由の身となったのです。

僕等は毎日ラインで連絡を取り合っていました。僕はK君の母親が他界してから、K君を励まそうと毎日のようにラインを送っていました。

 

そして2020年になり、コロナウイルスが世界的な流行を見せ始め、K君は日本に戻ることが困難な状況となりました。特に中国ではウイルスが蔓延していましたから。夏も、冬も会えませんでした。

 

そして、2020年の12月のある日に「日本もこれから大変だと思うが頑張ってくれ」というラインが送られてきたのを最後に、K君からのラインは来なくなりました。こちらから送っても既読になりません。

 

K君のラインのアカウント画面には、「香港出国、シンガポール入国(空港での検査結果は陰性)。大統領選に伴い、各国の通信を含むセキュリティ厳格化などの理由から、しばらくの間は、業務用携帯or別アカウント等に引き続き連絡をお願いします」と書かれています。

 

携帯電話にかけても通じませんが、契約は解除されていないようです。僕は何回も何回もかけましたが、K君が電話にでることはありませんでした。

 

それからもう2年が経とうとしています。K君の実家には草が生え、どんどん廃れていっています。

 

何かのトラブルに巻き込まれたのか、ただ単にコロナの影響で連絡が取れなくなっているのか、北朝鮮に拉致されたのかと心配ですが、僕はK君の悪運の強さから、きっとどこかで元気でやっているに違いないと考えています。K君に心当たりがある方はコメント等で連絡してください。

 

次にK君に会えたら、連絡を取れなくなっていた間に何があったのかを書きたいと思います。きっとまた再会できると信じています。

 

~完~

 

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