中国の習近平が毛沢東、鄧小平に続く第3の「歴史決議」を行うとのこと。これは歴史を総括し、これから中国が進む道を示すものとして、世界のキープレイヤーとなった中国の今後を占うヒントになりそうです。
・過去2回の歴史決議
1945年4月の「若干の歴史問題に関する決議」
結党以来繰り返された党内闘争で毛の政敵となった勢力の主張を「誤り」と断定し、「全党は一致して毛同志の路線の正確性を認識し、毛沢東の旗の下に団結した」と強調した。
1981年6月の「建国以来の党の若干の歴史問題に関する決議」
毛沢東が発動し中国全土を混乱に陥れた文化大革命(66~76年)を「建国以来最も重大な挫折と損失をもたらした」と否定。毛については「重大な過ちを犯した」と指摘しながらも、「功績は過失をはるかに上回る」と述べて「敬愛する偉大な領袖(りょうしゅう)」の立場を維持した。
・今回の決議の内容は?
「毛沢東、トウ小平、江沢民、胡錦濤同志を代表とする共産党人が率いた革命、建設、改革は重大な成果を獲得した」と評価、発表文の重点は習氏が就任した2012年以降に置かれ、「わが国の国際的地位は日増しに強固となり、中華民族の偉大な復興実現は不可逆的な歴史プロセスに入った」と指摘。
「立ち上がり(毛)、豊かになり(トウ)、強くなる(習)」という3段階の歴史認識とともに、中国が建国100年に当たる49年までに「社会主義現代化強国」となる目標に向け、「新時代」に突入したことが強調される見通し。
・世界の覇権を賭けた戦いが始まる
アメリカ国内の分断状況を尻目に、中国の存在感は日に日に高まっています。ウイグル、香港、台湾への強硬姿勢からも、強い自信があることがうかがわれます。
共同富裕など、国内の統制を図りながら、一党独裁によって強力に世界の覇権を獲りに行くのではないでしょうか。
尖閣諸島など、領土問題を抱える日本はいつまで平和でいられるのか。アメリカの庇護が弱体化し、人口減少など経済的にも困難な課題を有する日本は、より強いビジョンを持つ必要がありそうです。