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就職氷河期世代の憂鬱 中国で行方不明になったK君の話 2

 

小、中、高、大と同じ学校に通った親友のK君が、中国で行方不明になりました。

中華系企業で働いていたはずのK君ですが、2020年末頃から音信不通となっています。

どこかで元気でやってると信じながら、K君の数奇な人生について書き留めておきたいと思い記事を書きます。

 

前回の記事

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僕らが入学した大学は、東京の私大の中でも偏差値的に言えば上位にある大学でした。片田舎の県出身者としては上出来という感じで、地元ではそなりに「頭がよい」と見てもらえる程度の大学です。

 

K君は一人っ子でした。父親は肉体労働者で母親が精神障害者。そんな家庭の子供が地区の中でも一番偏差値の高い大学に入学したということで、K君は鼻が高いというか、見返してやったと思っていたようです。事実、親御さんも喜んだに違いありません。

 

僕も親友として純粋に喜びました。不遇の環境で育ったK君はきっと大物になると、僕は思っていました。

 

1年遅れて大学に入学してきたK君を、東京の府中駅近くのファミレスに誘い夕飯を食べているとき、K君が僕に「これ知っているか?」と言ってある本を差し出しました。

 

それは、当時流行っていたグラハム・ハンコックの「神々の指紋」という本でした。

地球にはかつて優れた古代文明があり、その痕跡が遺跡などに残されているというような内容で、地球は一度今よりも高度な文明を築いて滅んだというような説を唱えるものでした。

 

僕は、それは偶然でこじつけではないかと考え、興味も全くなかったため、少しK君をバカにするような態度を見せました。するとK君は徐々に不機嫌になり、「お前には分からないか」というような、上から目線で僕に話すようになりました。

 

そこで口論となるのですが、僕はその時、K君は少し変わったなと感じました。親友なので、ケンカというケンカもしたことがなく、互いにリスペクトを持って接していましたが、スピリチュアル系の話になると、K君は上から人を見るようになったのです。

 

2000年初頭は不景気のどん底でしたが、IT革命が進むなどして社会に変化の兆しが見えていたように思います。今でも覚えているのは「新しい歴史教科書をつくる会」が、戦後史観の打破を掲げて話題を集めていたこと、ライブドアもその頃だったのでしょうか、ベンチャー企業がもてはやされていたことです。時代の空気感として、不景気のどん底にいるけれど、新しい時代の光が見え始めているといった感じでしょうか。

 

K君は次第に「成功」という言葉を使うようになりました。成功法則とか、億万長者になった人の伝記とかが流行りだしたのもこの頃だったかもしれません。とにかく社会に出て「成功」したいというのです。

 

K君は経営者になりたいようでした。そのために様々な本を立ち読みして、得た知識を僕に披露してくれました。僕は当時法曹を目指していたので、そんなことに興味があるはずもなく、ただただ前のめりで話すK君の話を聞いていました。

 

K君の興味は「スピリチュアル」と「成功」という点に集約されていったように思います。ただ、ドはまりするという感じではなく、結構冷静に見ているようで、使えるものは使っていくというようなスタンス。

伝えにくいですが、人を説得してまで自分の意見に従わせようとか、そいうことはすることもなく、自分の人生に良いものは取り入れていこうというような感じだったと思います。上から目線は消えませんでしたが。

 

僕がK君をバカにするような言動を控えたことで、僕等の関係性は変わることは無く、相変わらずバカなこともやったりして、楽しく暮らしていました。

 

~つづく~

 

 

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